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©Susumu Nagao
©Hideaki Sato
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夢枕獏

外国人の作家として海外へ作品を発表する際には、様々なハードルが存在しています。海外の出版社は、リスクを避け、セレクトした非常に少数の作品か、あるいは作家のエージェントが翻訳コストを負担するような作品に限って出版する場合がほとんどでした。その結果、優れた作品にもかかわらず、言葉や文化の壁を超えることなく、世界の大半の人々からアクセス不可能なまま、多くの日本の作品がその価値を眠らせていました。スリーパーセント(ロチェスター大学によるインターナショナルな文学に関する情報サイトhttp://www.rochester.edu/College/translation/threepercent/index.php?s=about)によると、一年間に米国で出版されている文芸小説や詩の中で、海外作家の作品の割合はわずか0.7%のみという調査結果が示されています。

Bikooは、日本という国と世界の他の国をつなげることにフォーカスすることで、日本の作品やコンテンツに対する理解と愛情を深めることができると考えています。このことによって、海外のそれぞれの国の市場やそこでの様々な要求を踏まえながら、日本の優れたコンテンツをより早く、より柔軟にデリバリーすることが可能になると考えています。

我々は、以前から夢枕獏氏の作品のファンでした。夢枕氏は、幅広いジャンルにわたり、優れた作品を発表し続ける類まれな作家です。 ミステリー、ファンタジー、SF、脚本など、多岐にわたるジャンルで、たとえば、哲学的瞑想、物理学、歴史、神秘主義、格闘技など、様々な要素を交え、驚くべきペースで作品を発表し続けています。

Bikooは、この度、夢枕獏氏の海外における英語版での作品発表をサポートさせていただくべく、パートナーシップを結ばせていただきました。最初の作品として、夢枕氏の人気シリーズ“サイコダイバー” 魔獣狩り 第一巻がAmazon Kindleストアで発売されます。 現在、他作品についても準備をすすめさせていただいており、これから来年にかけてリリースが予定されています。

夢枕獏氏について

1951年1月1日、神奈川県生まれ。 東海大学文学部日本文学科卒。  1977年に作家デビュー。 以後、『キマイラ』『サイコダイバー』『闇狩り師』『餓狼伝』『大帝の剣』『陰陽師』などのシリーズ作品を発表。 1989年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、1998年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。2011年『大江戸釣客伝』で泉鏡花文学賞と舟橋聖一文学賞を受賞。同作で2012年に吉川英治文学賞を受賞。 漫画化された作品では、『陰陽師』(漫画 岡野玲子)が第5回手塚治虫文化賞、『神々の山嶺』(漫画 谷口ジロー)が2001年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞をそれぞれ受賞。 映画化された作品に『陰陽師』『陰陽師2』(東宝)、『大帝の剣』(東映)などがある。